2018年5月15日火曜日

智慧と福徳

智慧と福徳・2

波羅蜜乗では、無漏の智慧における無漏の福徳は積めないのか?

例えば、波羅蜜乗でも無漏の智慧を体験できる時があります。それは、聖者(八地以上)の等引智の禅定における状態となります。

しかし、等引智のままにおいては、波羅蜜乗では具体的な福徳を積む活動ができないため、福徳を積むには、等引智の禅定から出た後得智の状態において積むことになります。

しかし、後得智においては、無漏の智慧ではなく、所知障の影響下によって、再び有漏の智慧となってしまっているため、顕現するものが、あたかも実体があるかのように囚われを起こしてしまうのであります。

もちろん、マジックの種明かしを見た後のマジックを見ているような感じにて、後得智において、顕われは実体がない空性であることを頭では理解できているものの、それでも実体があるかのように習性的に捉えてしまう錯覚までは、まだ完全に拭いきれていないという感じであります。

その錯覚のままにての行いとなるため、まだ若干なりにも汚れが残る、つまり、有漏の福徳となってしまうのであります。

しかし、それでは煩悩障は断滅させることはできても、所知障を断滅させることができないままとなるため、所知障を断滅させる力となる無漏の福徳が必要になるものの、波羅蜜乗では、十地に至りて、仏陀の相好に限りなく近い存在となるまでは無漏の福徳を積むことができないと考えられるため、とてつもない長い時間を要することになってしまうのであります。

しかし、無上瑜伽タントラにおける幻身、それも清浄なる幻身であるならば、比較的速やかに無漏の智慧と共に、無漏の福徳を積むことが、今生、今身においても可能になるものであると考えられます。

問題は、福智二資糧をいかにして円満成就していくべきであるのか、娑婆世界、浄土世界を問わずに、何処にあろうとも、悟り、成仏のために二資糧集積は欠かせないものとなります。

娑婆に輪廻するにせよ、浄土に参るにせよ、何処に赴くとしても、二資糧を円満に調えられるように、できる限りに今生においても仏道に努めて参りたいものでございます。

智慧と福徳・1

倶生の大楽智が空性現量了解の段階に至ったのであるならば、それにて煩悩障のみならずに、一気に所知障を断滅できることにはならないのだろうか、、

もちろん、それならば、無上瑜伽タントラの場合、清浄な幻身を成就することなくに悟れることになってしまいます。更には仏陀の色身の因を欠いてしまうことにもなります。

そうではなく、勝義の光明の成就の後に、その勝義の光明のルンが、清浄な幻身となることで、更に両者の状態における修習により、やがて最終的に所知障を断滅できるように至りて、完全なる法身と色身を成就した仏陀となることができるのであります。

つまり、勝義の光明が必ず先で、空性の現量了解の状態にあっても、それだけでは所知障を断滅することはやはり無理であるということになります。

所知障の断滅のためには、無上瑜伽タントラの場合、必ず福徳の代替となる幻身が必要になるのであります。

では、逆はありえないのだろうか、、

例えば、清浄な幻身が先行して、勝義の光明が後から成就されるということだが…

つまり、福徳が先に所知障断滅の条件を満たした状態で、あとから智慧がその条件を満たすということになるのですが、、

これはやはりあり得ないことだと類推することができます。有漏の光明であるならば、そのルンも有漏であり、そのルンにより成就する幻身も有漏には変わらないからであります。

しかし、こう考えると、波羅蜜乗であっても、やはり智慧の先行性は同じなのではないだろうかと、、

いくら自分で善い行いを積んでいるつもりでも、全く空性を理解できていない内は、その行いは結局は有漏による福徳にしかならないのではないだろうかと、、

また、仮に不浄の幻身が、勝義の光明の成就により、消えてしまうように、波羅蜜乗における有漏の福徳というものも、智慧が無漏に至った段階で、その資糧の力を失ってしまうことになるのかもしれませんが、しかし、無漏の智慧、そして、無漏の福徳へと向けては、無上瑜伽タントラの場合と同様に、必ずそれも必要であると考えることもできます。

有漏の光明も、有漏の幻身も、無漏の両者へと向かうためにはやはり過程としては重要な段階としてあり、同じようにそれは波羅蜜乗でも、それはそうなのでしょう。

結局、長々として何が言いたかったのかといえば、空性を現量で了解できていないからと言って、諦めて何もしないでいては、全く何も進まないということなのであります。

もちろん、ただ、行いを盲目的に調えるのではなく、必ず智慧の修習もしっかりと進めながらでなければなりません。

智慧と福徳の修習は、顕密共に、鳥の両翼の如し、車の両輪の如しでなければいけないのであります。

・・

チッタマニターラ尊灌頂でのダライ・ラマ法王猊下様との問答内容再考・2

ポタラカレッジの齋藤保高先生から、拙疑問へのご回答をFacebookのコメント欄にて有り難くにも賜りましたので、改めてここにてもご紹介させて頂きます。

ジェ・ツォンカパ大師の『五次第一座円満』では、「究竟次第に於て、道を増進させる行をなす時点は、三つあり、すなわち、定寂身を得てから[不浄の]幻身成就のためになすことと、[不浄の]幻身を得てから[義の]光明のためになすことと、有学双運(双入)を得てから所知障断滅のためになすこと」で、「有学双運を得てから所知障断滅のためになす」行はあるとして、その具体的内容(自加持次第で成就した不浄の幻身による行のありように)につきましてもお教え下さいました。(ここではその具体的な内容までは省かせて頂きます。)

また、密教の総論としては、本尊瑜伽を維持しつつ行住座臥に布施などの六波羅蜜、菩薩行を積むことにより、二資糧を集積させており、上師瑜伽、各成就法などの行を継続しているならば、常に、本尊瑜伽を維持しつつ(意識の面で本尊の明確な顕現と慢を維持しつつ)行う行為は、福徳二資糧の集積となっているということになるとのことであります。

更に補足として、幻身は、成立しさえすればそれで事足りるというわけではないけれど、幻身によって福徳の資糧を積む在り方は、凡夫の思慮を遙かに超えたレベルだから、等身大に考えると分かりにくくなるとのことでありました。

・・拙生の場合、本尊瑜伽(意識の面で本尊の明確な顕現と慢を維持しつつ)がまだまだ未熟すぎるため、二資糧集積に全く自信が無く、実効的に積めているような実感が持てていないため、幻身でなければ・・との思いが強くあり過ぎるところにて思慮が及ばずにて恥ずかしいことでございました。

とにかく、もっとしっかりと行に努め励まなければならない次第でございます。頑張らなければ・・

・・

2016年11月12日、ダライ・ラマ法王猊下ご導師によるチッタマニターラ尊灌頂の前行法話における休憩時の質疑応答にて、拙生が猊下にご質問させて頂きました内容を、ここのところ改めて考えています。

平岡宏一先生の「秘密集会タントラ概論」によれば、悟りへと向けて必要となる膨大な福徳資糧の代替が、「幻身」(厳密には清浄な幻身)との位置付けがなされるところとなっており、拙質問は、「幻身」が、膨大な福徳資糧を、凡夫の身体とは比較にならないぐらいに速やかに積むためのお身体であると考えていたところがあったため、それで、質問の意図が猊下には伝わらなかったのかも・・と。

通訳の方が質問意図が掴めなかったのも、そして、平岡先生が最後に質問内容を要約されて猊下に通訳されたものの、猊下も平岡先生も、「幻身」そのものが、福徳資糧の代替なのに、こいつはいったい何を言っているのだろうか、という感じだったのかな、と思うと、改めてかなり恥ずかしくに…

もちろん、「幻身」としても福徳資糧を積めるのは積めるとしても、何より「幻身」成就の方が、かなりウェイトが高いようには思われるのであります。

もちろん、福徳資糧とは言っても、空性の了解の度合いにより、その集積の差は歴然と違うものになるため、明らかに「清浄な幻身」による福徳資糧は、空性了解に裏付けられたものであり、多大な力を有するものになるかとは思いますが、それよりもやはり「清浄な幻身」成就で、要は福徳資糧の代替であるとして事足りるとするものとして良いのか、そのあたりが未だやや消化不良になっているところであります。

また、仏陀の色身としての質料因が清浄なる幻身であり、福徳資糧の実践(条件として)は否定されるものではなく、幻身としての行においても資糧の実践が必要となるものでなければ、ただ、空性の智慧と、あと、ルンやチャクラなどの身体的技巧だけで事足りることになりかねないため、それでは福徳資糧が悟りと関係のないものになってしまいかねませんので、やはり、代替とは言えども、波羅蜜乗において積む資糧と同等の資糧集積は求められるものとなるのではないだろうかと考えます。

ただ、「秘密集会タントラ概論」の訳注p168、「勝義の光明の功徳」にて、禅定のままにて「清浄なる光明の観想で」二資糧を積むということは、実際の福徳資糧を積むのは、無上瑜伽タントラにおける成就法の福徳集積実践時のような観想にて行うだけで、他のどの誰(衆生)にも、その効果的な実行力、影響力を与えることは実質ないのではないだろうかという疑問も生じるのであります。

慈悲、方便の福徳行が、もしも観想で事足りるとするならば、現実世界での利他行は必要のないものとなってしまうのではないだろうか・・とも。

いや、そもそも煩悩障と所知障があり、空性への智慧も薄く、更に、この凡夫における不浄な身体である以上は、どんな福徳の実践をしようが、ほとんど悟りへと至るための福徳資糧にはならないと言えるのも至極当然であるため、迅速確実な悟りへ向けた福徳資糧は、何より、勝義の光明と清浄なる幻身によるところでないといけないというのも、ある意味において頷けるところではあります。

いずれにせよ、真なる福徳行は、智慧を円満にしたる仏陀とならなければ、実質的な効力を有するものとはならないというのも、それはそうであるのかもと思うところでございます。

ゆえに悟りへ至るまでの特に二次第のシミュレーションが重要であるというのも、納得のゆくところであります。

だからと言って、現実世界にて衆生が苦に喘いでいるのも仏道にあるならば見過ごせないことでもあり、やはり、観想でない実行も大切なことでもあるため、そのバランスをどうしていくべきであるのかが、課題であるのかなとも存じております。

・・

質問の内容

「無上瑜伽タントラにおける幻身の存在において、最後に所知障を断滅させるための三昧、金剛喩三昧に関して、自分の意思により、その三昧に入るのか、それとも、幻身の存在として、福徳の資糧を積む、その流れにより、自然に、金剛喩三昧に入り、所知障を断滅するのか、どのようなものとなるのかをご教示を賜りたくに存じます。」

チッタマニターラ尊灌頂におけるダライ・ラマ法王猊下様との問答内容について
https://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/d814a5bc49ee9ffef9a7f8cf8cf73516

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本年の仏教修学予定について(川口英俊)
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・ポア(ポワ)観想成就法・ミトラジョーキ大師「三つの真髄の教え」
・「五次第」読誦(秘密集会究竟次第解説和訳テクスト)

「本年の仏教修学予定について」2017.12.24
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「日々の密教修習の内容」2017.5.22
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2018年4月29日日曜日

岩瀧山・滝行場・敷石発見/秘密集会タントラ概論・vivekatrek氏レビュー

岩瀧山・岩滝にて滝行場・敷石を発見
http://blog.livedoor.jp/oujyouin_blog/archives/cat_876133.html

現在の往生院六萬寺の一番上の建物である「奥之院」から、更に奥へと進んだところに、「滝」があります。

恐らく「滝行」がされていたのではないだろうかという雰囲気であり、その雰囲気から、不動明王様をお祀りして、毎月二十八日にお参りに行っておりました。





去年に、ふとしたことでこの滝の沢で見つかった昔の古い瓦(推定・鎌倉時代)から、沢上流を探索したところ、更に点々と瓦が見つかり、往生院の山号の由来となったこの「岩瀧山」には、おそらく鎌倉期に何らかの瓦を有する建物が山中にもあったのではないだろうかとして、調査を進めることとなりました。





まだ、どこにその建物があったのかは特定できていませんが、その調査の過程で、この滝についても、改めて整備する中、滝つぼを掘り進めましたところ、滝行場の敷石を発見することができました。







やはり、滝行を行うために、岩を削って造られていたことが改めて証明されることになりました。

飛鳥時代に修験道の開祖である役行者が、この山においても修行していたことが伝承であることから、もしかすると、この滝場のルーツは、飛鳥時代にまでさかのぼることになるのかもしれません。

とにかく、これを機に、神聖な場であることを再認識すると共に、これから滝行が行えるようにも調えて参りたいと考えています。



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秘密集会タントラ概論に、大乗(密教)非仏教説と共に独自の仏陀論を持たれておられるvivekatrek氏のレビューが。。



大乗(密教)非仏教説、かつての自分もそうだったが、今は違う。

一から仏教を学び直す中で、ダライ・ラマ法王様ご導師による灌頂をいくつか拝受する内に変わっていった。

何より法王様からの釈尊以来の仏法のお加持の力を確信できたことが大きかった。

とにかく、悟りへと向けて努めるのである。

秘密集会タントラ概論
https://www.amazon.co.jp/dp/483186370X/ref=cm_sw_r_cp_api_i_ZsW4Ab21P8N0C

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「お地蔵さんになったお医者さん」
(故・中新井邦夫医師を思う)2018.4.21
https://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/1e552c1bf8819edd28020c5110b0af1e

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本年の仏教修学予定について(川口英俊)
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「日々の密教修習の内容」2017.5.22
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2018年4月22日日曜日

「お地蔵さんになったお医者さん」 (故・中新井邦夫医師を思う)

「お地蔵さんになったお医者さん」
(故・中新井邦夫医師を思う)2018.4.21

https://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/1e552c1bf8819edd28020c5110b0af1e

あるふとしたことから、知ることとなりましたお地蔵さん。

東大阪市の近鉄・河内永和駅から歩いて10分ほどの住宅街の中に、一風変わったそのお地蔵さんがひっそりと祀られています。

知る人は、そのお地蔵さんを「療育地蔵」と呼ぶそうです。

そのお地蔵さんの何が一風変わっているのかと申しますと、首元から掛かっている聴診器と、左手には、医療用ハンマーが彫られているのであります。

実は、そのお地蔵さんが祀られた由縁には、命を賭して、障害者の療育活動に取り組んだ一人の医師の姿がありました。

志半ばにて末期がんにより早世されてしまわれたその医師の名は、中新井邦夫医師。

大阪大学医学部を卒業された後、泌尿器科の医師として治療活動に取り組まれる中、医学者としても泌尿器科界において世界的な業績を持たれながらにも、やがて障害者福祉へと身を投じられることとなった、その方のことが詳しく記されていますのが、

「たたかいはいのち果てる日まで」-医師中新井邦夫の愛の実践-(向井承子氏著)



詳しい内容は、是非、復刻版か、文庫本を古書にて求めることができますので、中新井医師の歩まれました軌跡につきましては、この本をお読みくださいましたらと存じます。

中新井邦夫医師の祀られているお地蔵様・通称「療育地蔵」





中新井医師の存在を知るにつれて、私自身、胸にかなり熱いものがよみがえって参りました。

かつて、私は、障害者福祉に情熱を持って取り組ませて頂いたことがございました・・

その取り組む舞台となった施設も、そして、私が設立代表として社会福祉法人化した法人も、今ではもう変わってしまいましたが、あの頃、法人化と共に、初代理事長として一生懸命に福祉活動に取り組んだ日々・・

あの頃の熱い思いがよみがえってきたのであります。

当時、設立記念に施設に設置しようとして、結局は、そのままとなってしまって、お寺の傍らにて朽ちている記念碑を久しぶりに見ますと、鮮明にあの頃のことを思い出すことができます・・






設立代表者 川口英俊 平成十六年四月吉日

もう14年も前になるのですね・・当時、27歳・・私も若かったです。

時の政権は、小泉純一郎内閣。障害者自立支援法の成立を目前として、無認可の障害者作業所は、早急な法人化が求められていました。

そんな中で、地元にあった精神障害者の無認可授産施設の法人化へと向けて、その家族会の方が、当寺を頼られて、設立世話人への参加を打診されたのであります。

そこで、大学で法律を学び、少しは行政手続きのことも知っている私が、引き受けましょうと、引き受けさせて頂くと共に、実際に最初に作業所に赴いた際の、現場のあまりの現実に、正直、かなりのショックを受けたのであります・・これが障害者作業所のおかれてしまっている現状なのか・・と。

以来、何とか少しでも現状の改善と共に、法人化に取り組まなければならないと、資金と人材集めに奔走し、やがて、設立代表として法人化を果たしたのであります。

そういえば、中新井邦夫医師の理念、志を受け継がれておられます人々が、当時まだおられた東大阪の福祉においては、法人化に際して、その本にも登場なされます方も含めて、色々と親身になって助けて頂いた方が多くございましたのも、今更ながら何となく頷けるところでございます。

しかし・・二年間、初代理事長として運営に携わらせて頂いたものの、既に成立していた障害者自立支援法と現場との矛盾に苦しむと共に、制度・法律が、あまりに現場の現実を無視したものであり、当時の政府方針としての財政再建、健全化の流れも相まって、利用者負担の増加と共に、補助金事業への見直しも厳しく、更に制度・法律と、現場とのジレンマ、乖離が障害者福祉においては激しくなってしまっていたように振り返ります。 行政の補助金にて運営される施設のあり方・・その限界、力量不足を感じて、私は一期にて退任を決意したのでありました。 あの頃は、無理して補助金と、その申請との帳尻をどうにかしても合わせないと、どうにもならなかった時代だったとも言えるでしょう・・今でも当時のメモを振り返ると「補助金申請に必要な通所者日数が足りない。このままではどうなるのか」、「障害者自立支援法は悪法だ」との悲痛な殴り書きが・・ その後、法律・制度が修正されて、利用者負担のあり方と共に、従来の作業所のあり方も、就労移行支援事業(A型・B型)への制度移行により見直されることになりましたが・・
とにかく、もともと、そんな杓子定規に皆が通所して、作業ができるとは限らないのが、ハンデのある子たちなのであります。心身ともに調子を崩しやすく、休みも出がちで、作業ノルマもそう簡単には達成ができないのであります。

その負担は、やがて全て職員へとのしかかるところにならざるを得なくに。給料はもともと安い上に、何かと労働環境悪く、更にハンデのある子たちには日々イレギュラーなことも多く起こってしまうため、その対応に追われ、そして、負担の負の連鎖によって、現場がますます疲弊してゆく・・

何とか踏みとどまらなければと、運営を行う上で改善、正常化に努めたものの、結局、一期にての退任を決意したのでありました・・

それでも、理想とする施設へと邁進していたのは、当時の評議員会・理事会の議事録を振り返りますと思い返すところであります。

そんな理想に燃えた熱い思いを、比べることは誠に憚られますが、初代、東大阪市療育センター長として、末期癌に侵されながらにも、理想の施設へと向けてご奮闘なさられる中新井医師のお話と共に、思い出した次第でございます。

それと・・あれから、自分は福祉の現場から逃げてしまったという負い目も・・

もっと、自分は、できたこと、退任してから、今までのこの間にも、何かできることがあったのではないかと・・情けなさに心底より恥じ入る次第でございます。

そんな自分への懺悔と共に、障害者福祉活動に理想とするあり方へ向けて命を賭された中新井医師のご遺徳をお偲びさせて頂きたくに、先日に療育地蔵尊へとお参りさせて頂いたのであります。

そして、また、少しずつにでも、福祉活動を再開して自分のできることに取り組んで参りたいと、その思いを新たにさせて頂きました次第でございます。

また、ここでは申せませんが、もう一つ関連することにて、プライベートなことにおきましても、中新井邦夫先生に心より感謝申し上げる次第でございます。先生、本当にありがとうございました。

これからも近くに参りました際には、必ずお参りをさせて頂きます。

その際には、中新井先生に少しずつでも良い報告ができていけますように、また、少しでも先生の理念、志にも近づけますように、努めて参りたいと存じます。

川口英俊  合掌  平成30年4月21日

・・

以下は、平成30年4月20日、お参りの報告・・

ここ一ヶ月、ずっと気になっていたお地蔵さんへとお参りに。

そのお地蔵さんは、首元から掛かっている聴診器と、右手に錫杖、左手に医療用ハンマーを持たれているお地蔵様であります。

近隣のご迷惑とならないように、開経偈・般若心経・大悲心陀羅尼・回向・地蔵菩薩真言・四弘誓願。

どうしてお参りすることとなったのか、その経緯につきましては、また後日に改めて詳しく述べさせて頂きます・・

「たたかいはいのち果てる日まで」

医師中新井邦夫の愛の実践(エンパワメント研究所・筒井書房)

中新井邦夫医師の祀られているお地蔵様・通称「療育地蔵」尊








ありし日の中新井邦夫博士

「二分脊椎の子どもとの接し方」より

中新井邦夫医師の著書「二分脊椎の子どもとの接し方」(ルガール社)


彫られてある聴診器






中新井邦夫医師が、初代所長を務められた、旧・東大阪市療育センター・第一はばたき園・第二はばたき園。現在は、東大阪市障害児者支援センター、レピラに機能が全て移転されています。











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甚深道たる上師供養儀軌福田




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11/14-16 ダライ・ラマ法王ご法話・ご灌頂「『縁起讃』・『修習次第』中編・『聖観自在菩薩の許可灌頂』」パシフィコ横浜
http://www.tibethouse.jp/event/2018/181114_forMembers.html

平岡宏一先生「秘密集会タントラ概論」(法蔵館)Amazonレビュー寄稿(2018.3.22)
https://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/e3abc05bbdbe95220cb5a1afb9d5a1e8

平岡宏一先生「秘密集会タントラ概論」(法蔵館)一読了感(2018.2.24)
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/5425dca2445600b2785fa9cc75ed445f

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春秋彼岸中日・年2回開催・夕陽の彼方に観た浄土
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2018年3月25日日曜日

平岡宏一先生「秘密集会タントラ概論」(法蔵館)のAmazonレビュー

平岡宏一先生「秘密集会タントラ概論」(法蔵館)のAmazonレビューを僭越ながらにも書かせて頂きました。



「無上瑜伽タントラ」を学ぶ意義について

密教における「無上瑜伽タントラ」の目指すところは、迷い苦しみにある一切衆生を、可及的速やかに救いたいがために、悟りを早く得ることを何より強く求めるという、大慈悲からの「菩提心」により、まさに今の生においてでも「悟り」へと至りて、仏陀となるべくに、その悟りへと向けて必要となる「智慧」と「福徳」という二資糧の集積を、「生起次第」と「究竟次第」の二つの修行に取り組むことによって、迅速に煩悩障と所知障を断滅して、悟りへと至るためとなります。

その「無上瑜伽タントラ」における最上のタントラと、ツォンカパ大師を開祖とするチベット仏教のゲルク派において位置づけされている「秘密集会タントラ」に関しての「生起次第」と「究竟次第」の概論が著されているのが、本書となり、更に、訳註において、著者が長年にチベット仏教の高僧たちから受けられた伝授による内容にて、補足説明されているところとなっています。

「無上瑜伽タントラ」は、残念ながらこれまで日本には本格的に伝わることは無かったものの、2016年11月に大阪にて、ダライ・ラマ14世法王猊下をご導師に「チッタマニターラ尊灌頂」が開壇、厳修されたことにより、いよいよこれから、「無上瑜伽タントラ」の生起次第、究竟次第を修行する者たちが、この日本でも増えてこようとしており、そのまさに先導となる道しるべとして、二次第を学ぶための論著が、本書となっているのであります。

特に、迅速なる悟りへと向けて、本来、悟りのために必要である膨大な智慧と福徳の二資糧の集積の代替となる「光明と幻身」の構造、プロセスを、本書から深く学ぶことができるものとなっています。

「無上瑜伽タントラ」の二次第の成就により、釈尊のような、多くの仏陀が出現することになれば、より多くの迷い苦しみにある衆生たちが早急に救われることになります。

凡夫である私の二次第の修行は、遅々として全く進んでいないものの、本書を基に、確かなるご仏縁があり、「無上瑜伽タントラ」の灌頂を受けられて、二次第に励まれる優秀な修行者たちが現れられて、まさに「即身成仏」を成就なさられることとなっていけば、娑婆世界の衆生はもとより、より多くの迷い苦しみにある衆生たちが救われていくことになるため、そのようなお方たちの出現も心から祈念申し上げる次第でございます。

一切衆生に等しく仏法の光による幸がありますように。

川口英俊  合掌  2018.3.22

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平岡宏一先生「秘密集会タントラ概論」(法蔵館)一読了感(2018.2.24)

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日々の修習の記録・・

毎日のお勤め・・

・六座グル・ヨーガ(フルバージョン)-(朝夕)
・ガンデン・ラギャマのグル・ヨーガ -
・チッタマニターラ尊成就法     -(全)
 (全)は全て・(半)は義務読経まで

都度のお勤め・・

・甚深道たる上師供養儀軌・楽空無差別のグル・ヨーガ       -
・上師供養における供物の供養というもの             -
・ポア(ポワ)観想成就法・ミトラジョーキ大師「三つの真髄の教え」-
・「五次第」読誦(秘密集会究竟次第解説和訳テクスト)      -

本年の仏教修学予定について(川口英俊)

「日々の密教修習の内容」2017.5.22

甚深道たる上師供養儀軌福田


3/2「ダライ・ラマ法王様『ジャータカ』と『縁起讃』ご法話」動画・日本語同時通訳あり

2017.10.3-6『ダライ・ラマ法王様・チャンドラキールティ大師「入中論」ご法話』動画・日本語同時通訳あり

2018年1月22日-23日「ダライ・ラマ法王様『金剛般若経』ご法話」動画・日本語同時通訳あり

ダライ・ラマ法王様・1/5-7「『転法輪経』と『稲芉経』の法話会」動画・日本語通訳と和訳テクストあり

ダライ・ラマ法王様「『菩提心の解説』と『37の菩薩の実践』の法話会」動画・日本語通訳あり

法王様のお元気なご様子に、誠に安堵でございます。有り難くに拝聴させて頂きます。合掌

口自在たる慧蔵にて至善なる勝者流の、教誨の真髄を持す比類なき御方、無数なる勝者の海を凝集せし御身に祈願せん。最上と共通の悉地を給わんことを。ダライ・ラマ14世ガクワン・ロサン・テンジン・ギャツォ猊下に最敬礼申し上げます。

「偉大なる第十四世の長寿を祈願する如意自在王〔経〕」

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平岡宏一先生「秘密集会タントラ概論」(法蔵館)一読了感(2018.2.24)


「チッタマニターラ尊成就法の実践における御供えについて」2017.1.16

「チッタマニターラ尊灌頂後のチベット密教の実修について」2016.12.11

「チッタマニターラ尊灌頂におけるダライ・ラマ法王猊下様との問答内容について」

11/11-13「ダライ・ラマ法王猊下様・チッタマニターラ尊灌頂ご報告」

ダライ・ラマ法王猊下様御来日/拙予習経過まとめ(2016.11.9)

ダライ・ラマ法王14世日本公式サイト | 法王庁

公式フェイスブック

ダライ・ラマ法王猊下様御加持成就の「金剛杵と金剛鈴」

2015.4.17「ダライ・ラマ法王猊下様のこと・・」

2015.4.13「ダライ・ラマ法王14世来日法話 般若心経・菩提心の解説・観音菩薩の許可灌頂」ご報告

2014.4.14 ダライ・ラマ法王猊下様によるチベット密教・胎蔵曼荼羅灌頂・ご報告

2013.11.19「空と縁起」に関する拙質問に対してのダライ・ラマ法王猊下様の御回答内容について

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お坊さんネットQ&Aサービス・hasunoha

hasunoha参加5年の節目にあたり(2017.11.5)

新機能「おきもち」

hasunoha型クラウドファンディング「おきもち」始動

「hasunoha」拙回答まとめ集

書籍化『hasunoha お坊さんお悩み相談室』発売中!

hasunoha書籍化・印税収益の一部・東日本大震災・被災者支援に寄附

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春秋彼岸中日・年2回開催・夕陽の彼方に観た浄土
往生院「日想観・極楽誓願法要」

『無常を考える』平成29年9月・彼岸・配布資料

『葬儀と供養の意義について』平成29年8月・お盆施餓鬼法要配布資料

『般若心経における「空」について』 平成28年8月・お盆施餓鬼法要配布資料

「Amazonお坊さん便」の抱える問題について/平成28年3月・春彼岸施餓鬼法要・配布資料

「仏教と戦争 ~ 戦後70年と仏教 ~」平成27年8月・お盆施餓鬼法要・配布資料

「仏教の基本的な理解のために」平成27年3月・春彼岸施餓鬼法要・配布資料

「死後について」平成26年9月・秋彼岸墓前回向・配布資料

「お葬式について」平成26年8月・お盆施餓鬼法要・配布資料

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「末法味わい薄けれども教海もとより深し」資延敏雄大僧正師御遺誡

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自分上場・VALU参加!

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「勝義方便メモ No.12」

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未来の住職塾・関西クラス第6期生・寺業計画書発表会に参加(2018.1.20)


3/11東日本大震災七回忌 3/9-10未来の住職塾卒業式・フォーラム 3/10ポタラ・カレッジ訪問

『未来の住職塾』受講を迷っているあなたへ!!!

未来の住職塾・本科・第五期・受講感想(2017.1.24)

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悟りへの因縁・修習・階梯について

以下は、続きとしての定型記事一覧となります。
ご興味がございましたら、各それぞれご覧下さいましたら幸いに存じます。